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現実の脅威は基本的に娯楽にならないからね。「考えさせられたい」なら現実にオブラートを被せて模倣したものでもいいかもしれないけど、その気持ちはたぶん雑念の一種かもしれないよ

なんか「つらい現実から逃げられるからそういうのが人気」みたいな読み方をするからほんまか？ となるだけで、「わざわざつらい話を読みたくないからそういうのが不人気」が最初に出てくるべき推測では？ と思う。
そんなものが読みたければ SNS を開いて現実の人々の叫びでも聞いてろという話であって……

社会のシステムとか経済とか工業とかガチで描写してくれるハードコアなろう小説に遭遇しづらうて素人が書いたファンタジー程度のふんわりインスタントで子供向け説明レベルの社会・政治・工業が多いなぁというのは感じるが、これは流行がどうとかではなく純粋に書ける人が少ないのが問題なので現世とか異世界とか SF とかファンタジーとかそういうレイヤーの話ではない

単に「異世界の知識を持っている」状態を作るのに「前世」が一番自然な言い訳なだけで、前世以外の理由から異世界の知識を持っている現地主人公を用意している作品もあります (たとえば過去の転移者が持ち込んだ文明や知識が先祖にいて家に伝えられているなど)

実はその世界にあってその世界の人間ではない、というポジションを無理なく入れるのに、1回殺しておくと説明が省ける…のか？

死なずに “門” を見つけて現世と人やモノのやりとりをする系の話もあれば、一方向かと思われた召喚で帰る手段がちゃんと見つかるものもあれば、現世に帰ってきた後にヤンデレに追われたり引きずり戻されたりするパターンもあれば、まあなんでもあるよ

単に人間として異世界を舞台にしたくて現世への影響とかは要らない、でも知識と “人生経験” だけは持っていきたい、という場合に転生で肉体だけドロップするのがやりやすいというだけでは

現代の異世界転生モノについていうなら、現世に戻る選択肢ありの作品も多数あるんで……

形式としての転生というより、敢えて苦しみに満ちた現世を描き、死と共にそれから解放された異世界へ行く…というフォーマットが本質的なのかなと思っている

転生していようがいまいが、結局異文化体験の語り方がモノを言うと思うので、単なるフックであれば別になんだっていいのだと思う

本を読んでいると本の世界に入ってしまう、という鉄板フックがもうあんまし刺さらないのかしら、というのにそこはかとない寂しさがあるわね（果てしない物語などなど）

ただ単に現代からファンタジー世界への導入に便利、という用法に留まるものもあろうけど…こう、なんというかね…それはそれで薄い気もしつつ…

別に、転生要素いれなくてもファンタジーはファンタジーやったらええやんという気持ちはあるので、なぜ現世の苦しみをフックに使って転生とするのか？を見つめると、こう

ゴリゴリめの偏見である自覚はある

いわゆる異世界転生モノとラベルが付くものたち、概ね鎮痛剤のような作品だと思っており、好きな人って現世の苦しみがそんなに深いの？？？という偏見を持って見ている