東武1700系のARSE-D自動空気ブレーキについて、車両説明書の方で見ることができたのだが、なかなか興味深い。

まず電空併用時の限流値の制御だが、これはBPとも作用室圧力とも関係していない。要は制御器メーカが同じ日立製である南海11001系(AMAR-D)と同じで、ブレーキ弁が制動位置にある時に限流継電器の設定値を進め、弛め位置にある時に戻すという方式だった。

https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1955/06/1955_06_06.pdf

つまりは電空併用に際して電制力の基準を何に置くかは、制御器の方式次第らしい。

ついでに南海11001系ではブレーキ弁によって電制力を単独で制御できることを利用して抑速制動を扱える、と日立評論では書かれていたが、東武1700系はマスコン側に抑速制動がある。

日立制御器での自動空気ブレーキに併用される電制は、ブレーキ弁が重り位置(空気重り位置)の間に限時限流進段をすることと、弛め重り位置でノッチ進段が停止することを利用して抑速電制として使えると言えるが、東武では本格的に勾配線があるせいなのか、予め設定した特定段で停止する一般的な抑速電制の方がよかったのかもしれない。限時進段だとすると、制御器ごとの個体差で段数の誤差が発生することもある。近鉄特急車で懸念された事例だ。

なお東武1700系の説明書では、重り位置での電制動作について「限流値の最小値でノッチが進み…」とあるが、限流値設定とは別に限時進段機能によって、所定時間をおいて1段ずつ進段すると考える方が自然だろう。最小限流値で進段するのであれば、限時進段である必要がない。

ブレーキ弁はME-24-AZとなっていて今のところ他で見たことがないが、電制と空制電磁弁用の電気接点に加え、減圧制限弁が付いているとの由

要はM-24-Aブレーキ弁の電気接点付きということになる。京王5000系や3000系はME-24-AXとなっているので、電気接点の構成やオン・オフ動作域によって区別されたようだ。

ME-24-AZブレーキ弁の電気接点は8個もあって、限流値は作用室連動とした近鉄1450系や西鉄1000形が3個接点だったのと比べると如何せんごつい。

全電動車なら何ということはないのだろうが、京王のようなMT編成だと空制は繰り返し制動でBP減圧量と作用室圧力=BC圧力の差が出ないか、つまりBP減圧量に比例した時間で限流値設定を増加させているであろう電制との制動力差が出ないか?と気になるのだが、供給空気ダメがあるので空制の確実性は担保されているということなのだろう。

因みにME-24-AXの方は7個接点になっている。およそ売れた製品とは言いにくそうだが、改良版なのか?

@AncientCapital 空制力がブレーキ弁操作時間にかなり素直に比例する電磁速動ブレーキはブレーキ弁連動の限流調整器と相性がいいのかなと思いました。
(純自動空気ブレーキの作用室圧力は最小減圧やら階段緩めやらで動作が複雑で、限流調整器と同期させるのが大変そう...)

問題があるとすれば在来車との併結で在来車が先頭になる場合、ARSE-D車の電制が制御できないことかと思いましたが、特急車ならあまりそういうことを考える必要もないのかなと。
限流値を作用室連動にすれば在来車先頭でも電制有効になりそうですが、京王2000系ではどうしてたんでしょうか...。

@[email protected] 東武の説明書には「モハ5720型電車…と連結運転して…何ら差し支えなく…」とあるので、混用は想定されていたようです。どうしても混結時に電制を使いたいのであれば、京阪1700系のように在来車のブレーキ弁に電気接点を追加することで一応対応はできるしなあ…と

逆に、もし作用室連動でもブレーキ弁が電制作動すべき位置にあるかを判断する電気接点がなければならないということにはなりますが。京王2000系や2010系の写真を見てみましたが、意外に2700系や2600系との混結運転が見つかりません。中間に入っていたサハ2550形、あれどうしてたのか…

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@AncientCapital ありがとうございます。
ブレーキ弁接点を踏まえると、無改造の在来車との併結では電制無効と考えるのが普通そうですね。

京王の件、wikipediaには編成組み込みに当たって諸改造がなされたとあるので、この時にARSE対応となったと考えるのは都合が良すぎでしょうか...
ja.wikipedia.org/wiki/京王2000系電

@[email protected] これ、ARSEだと中継弁方式なこともあって、補助・付加空気ダメが1つになって二室空気ダメになるから判別つかんか…?と思って写真を見てみたのですが、そもそも原型の床下も分からんので何とも言えず…

ただ供給空気ダメはかなり大きく取付改造が大掛かりな気がするのと、、枕木方向に似た大きさの空気ダメが2個並列に置かれていそうなので、意外やブレーキは未改造だった…?さすがに結線の引通しは追加したでしょうが…

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