【全文公開】プルースト効果の実験と結果/佐々木 愛|文春note部|note プルースト効果、という言葉を教えてくれたのは、三年生になってはじめて同じクラスになった小川さんだった。小川さんという人物が少しずつつかめてきた気がしていた、四月の終わりのころだった。彼は、受験勉強をはじめる前に必ず「たけのこの里」というチョコレート菓子を食べるのだと言った。 「プルースト効果っていうのがあるんだ。味とか香りから、それに関連した思い出が浮かんでくるっていう現象のこと。プルーストっていう作家の有名な小説からきた言葉なんだけど。主人公がマドレーヌを紅茶に浸して食べたときに、昔の記憶がよみがえるっていうやつ」…
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