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韓国唯一の軽トラックとして長年親しまれてきた韓国GMのラボとダマスが今月生産終了した
それらの知的財産をJJモータースというベンチャー企業が買い取ってEVとして復活させると話題になったが、EVとして生まれ変わったラボ、ダマスは税金の安い軽車(韓国の軽自動車)ではなく、小型車登録になってしまうと一部で騒ぎになっている
どうやらフロントバンパーを大型化したことで全長が軽車の規格からはみ出してしまうらしい

バンパーを大型化した理由は恐らく衝突安全基準へ適合させるためだと思う
つい数年前日本でもi-MiEVが衝突安全基準への対応でフロントバンパーを大型化して軽自動車から普通車登録になった
そもそもダマス、ラボは1985年にデビューした二代目スズキ キャリィがベースになっている
なんと基本設計が30年以上前の車なのだ
実は2013年に新排ガス規制と衝突安全基準に適合できなくなるために一度生産終了が発表されたが、韓国では他に代替となる軽トラックが存在せず長年ダマス/ラボを愛用してきた小商工事業者たちの死活問題につながるために生産中止に反対する署名運動にまで発展した
これを受けて韓国GMと韓国国土交通省は6年間の猶予を与え、2020年末まで生産継続することになった
そして韓国GMはその間に後継車の開発をすると発表した

そして2020年末にダマス/ラボは生産終了するはずだった
しかし、二度目の延長が発表され2021年7月まで生産されることが決まった
理由は韓国GMが後継車を開発しなかったためだ
そもそもここ数年の韓国GMを取り巻く状況は厳しかった
韓国国内には5つの乗用車メーカーがあり、その中で起亜自動車に次ぐ3位のシェアを誇っていた韓国GMだったがここ数年でシェアを落としていき去年はシェア4.5%の第5位まで転落してしまったのだ(首位のヒュンダイは48.1%)
さらには度重なる労働争議や労働生産性の低さが仇となり去年は群山工場が閉鎖、親会社のGMは韓国からの撤退も仄めかしている状況だ
そんな最中で韓国専売の新型車を開発できるわけもなく

そこでEVベンチャーのJJモータースがダマス/ラボをEVとして復活させ、小商工業者の救世主となる運びとなったはずだが……
おそらくはEVの補助金と税制優遇で軽車と小型車の税額の差を相殺する意図があるのではないかと思う
その考えがどこまでユーザーに届くかは謎だが

さて、実は復活したダマス/ラボはライバル不在でのうのうと我が世の春を謳歌する余裕はない
中国車の輸入を行っている中韓自動車がライバルの少ない軽トラック市場へ目をつけて北京自動車の子会社が製造するCKミニトラック/バンを投入してきた
価格はダマス/ラボよりも少々高いが、充実した装備など様々な部分で高評価を得ている
30年目のリニューアルを受けて生まれ変わるベテランは大型化した車体というハンデを抱えながらも新たに参戦する外国人選手を迎え撃つことができるのか?

ここからは妄言

基本設計が40年近く前のクルマを改修して騙し騙し使い続けるくらいなら、最新の軽トラを日本から輸入車して、韓国向けに改造して売ればよくね?
って思ってしまった
韓国と日本じゃ排ガス規制も衝突安全基準もまるっきり同じというわけではないけど、日本の軽トラは数年前に新排ガス規制と衝突安全基準が導入されて乗用車と同じ基準が適用されるようになったから韓国の基準に適合させるのそんなに大変じゃないと思う
一番の懸念点は左ハンドルへの改造とOBDIIに対応させるコスト
韓国ではつい一昨年だったかな?J-OBDの車が輸入禁止になったので正規輸入だろうが並行輸入だろうがOBDIIに対応させないと車が売れなくなった
そこまで手間暇かけて660ccの非力な軽トラを日本から引っ張ってくるくらいなら中国から800ccクラスの小型トラック持ってきた方が割に合うか(汗)

ちなみに韓国では日本の軽自動車が人気で並行輸入車がかなり売れてたみたいなんだけど、さっき話したJ-OBDを搭載する車が輸入禁止になったことで軽自動車を新たに輸入することができなくなっちゃったんだよね
そこで生まれたのが光岡 レインボーという謎車
並行輸入車では人気車種だったスズキ ハスラーを韓国で光岡のインポーターをやってるエイブルインターナショナルがJ-OBDからOBDIIに改造して右ハンドルのまま光岡のバッジを付けて売ってるという時空の歪みから出てきたみたいなクルマ
ちなみにこの会社、ジムニーも同じ手法で輸入して光岡 サンダーとして売る予定だったみたい(結局頓挫した?)
ハスラー以外にもコペンとS660とラパンも取り扱ってたみたいだけど、それらはOBDII対応に改造したのかは不明
多分中古車?

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