サイコパス ネタバレ感想 

タイトルと1話の初っ端から出てくる九龍城砦を彷彿とさせるスラム街とそれに不釣り合いなハイテクなメカで即座に「あ、これディストピアものだな」と理解できるの仕組みなのはギルティクラウンと比べてダークな虚淵ワールドに入り込み易くて虚淵初心者のワタシにはよかった(ギルティクラウンみたいに急転直下でダークな話になる展開も好きだけど)
世界観的には沙粧妙子とかシャーロック・ホームズとかハンニバルっぽいかも~?話のテーマの一つである個人の正義と組織/システムの正義の対立という構造はパトレイバーと踊る大捜査線の劇場版っぽさあるな~と思ってクレジット見たら総監督が本広克行で色々と察した
結論から言うと、話は良いが描写が雑というかツッコミどころが多い

サイコパス ネタバレ感想2 

最終話観て「あ~面白かったな~」と呑気に考えてたけど、感想書くために全22話を反芻してたらなんかツッコミたいところ多すぎて書く気が失せてきたけど頑張って書くよ(普通に面白いから観て欲しい気持ちはあるよ?)
まず、本広監督の悪い癖出てるな~って思ったのが大衆嫌悪とステレオタイプなネット嫌悪が相変わらずなところ
14話の繁華街のど真ん中で女性が暴行されて殺されるシーンがあるんだけど、通行人誰も叫び声すら上げずにただ突っ立って見てるかスマホで撮影してるか……百歩譲って犯罪率が大幅に減った未来では殺人そのものが現実味がなさすぎて恐怖すら覚えないのかもしれないけど、せめて「なんだ?なんだ?」くらいの声は聞こえても良いのでは?撮影してるってことはことの異常さくらいは理解してんだろ
宜野座の「カカシかコイツらは!」というセリフに禿同でした

サイコパス ネタバレ感想3 

あとネット描写、件のマスク事件のあとに出てくるニコニコ動画っぽいサイトをデマの発信源としていたり(ネットニュースとかまとめサイトとかSNSとかご存じない?)、19話で出てくる2チャンネルっぽい(onionちゃんねる?)掲示板も利用者がジャーナリストとか元大学教授の知識層の割には頭悪そうな書き込み内容が多いのなぜ?シビュラシステムに職奪われたせいでストレス溜まってる?ならまあ許そう
あとは物語の根幹に関わるけど、サイコパスの世界に生きる日本人はフェイルセーフとか冗長性の概念がない?シビュラシステムが意図的にそうした?
人類が高度に進みすぎた文明を過信するあまりにその脆弱さを突かれて文明が崩壊するという展開は古き良きディストピアものの定石だけど、これはちょっとお粗末すぎない?社会秩序の根幹を成すシビュラが一回破壊されかけてるし。シンギュラリティなんて言葉が浸透していなかった2012年の作品ならではののほほんとしたSF観なのかな~
なんて思ったり

サイコパス ネタバレ感想4 

そろそろ良いところについて話そう
まず人が容赦なく死ぬ。ちゃんと物語中の重要な箇所で然るべき(?)人物が死んでそれが次に繋がっていくし、死に際の描写が丁寧なのは好感。でもエグいシーンが多いので見る人は選ぶ
こういうゴア表現のあるサイコスリラーものに人間の成長譚や根源に関わる哲学的なテーマを投げつけるのは虚淵玄の芸風なのかな?狂気の中で露わになる人間性をグロテスクなくらい描くのは本当に好き。エロゲーのシナリオライターならではかも
このグロテスクな物語構造を利用した主人公の成長物語は見事。ギルティクラウンとは違い20代の社会人1年生に見合った成長譚として完成されているし、主人公が安易に闇落ちするのではなく自身の中の正義と職務上の正義の矛盾の葛藤を抱えながらも落とし所を見つけながら前へ進んでいくのはキチンと大人の成長物語してた(と思う)

サイコパス ネタバレ感想5 

あとは犯罪係数という意味不明な数値に従わざるを得ない状況を明示することで自分の思い描いてる正義が遂行できない歯がゆさとシビュラとて完全ではないということも視聴者に共感させるドミネーターという存在はナイスだなと思った。オートノマスに対して人間が抱く不信感を端的に表してるんじゃないかな。まあ、シビュラはAIではないから結局人なんだけど
シビュラ自信は我々は人間を超越した存在と思って驕っているのもまた皮肉にも人間らしい
そして警察モノにしては珍しく正義の定義付けが主人公とシビュラ、そしてそれ以外の人々で異なるのも良かったね。アメリカ映画的な押し付けがましい正義じゃなくて安心した
主人公が公安を選んだ理由、縢の行方、シビュラの管理者は誰かなど一期で残された謎はまだまだたくさんあるので二期を早く観ないと

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