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ハイブリッド革命インサイト 

※タイトルは内容とは関係ありません

ホンダのインサイトについてふと考えてみたが、このクルマはそれぞれの時代ごとのテーマに対するアンチテーゼとしての意味付けがされたホンダによるメッセージの現れだと思う。

ハイブリッド革命インサイト 

初代ZE1は初代プリウスに対するホンダのカウンターパンチではないのだろうか?世界初の量産ハイブリッドカーとして満を持して登場しておきながら、走行性能の低さや相次ぐトラブル、5人乗りファミリーセダンというエコカーを語るにはヌルいパッケージング、それに業を煮やしたホンダが送り出した究極の燃費スペシャル。実用性度外視の2シーター、NSX譲りのアルミボディ、cd値0.25の空力フォルム(プリウスは0.30)、エンジンの低フリクション化などなど……。90年代イケイケのホンダが20世紀最後に送り出した小さなモンスターマシン。エコロジーという甘美な言葉をハードコアな形で突きつけ挑戦したクルマ、それが初代インサイト。

ハイブリッド革命インサイト 

二代目ZE2/3はハイブリッドカーを身近なものとして世間に浸透させた切っ掛けと言える存在。二代目プリウスの車両本体価格が230万円を超え、ハイブリッドカーは高価でそのくせドライバビリティに欠ける環境意識の高い人々向けの特殊な車、そんな固定観念が蔓延していた2000年代最後の年にホンダが送り出したブレークスルー。189万円という衝撃の価格で登場し世間を賑わせた、おまけにクーペルックのスタイリッシュなデザインにファン・トゥ・ドライブまで兼ね備えたなどと当時のメディアはこのインサイトを強烈に支持した。しかし、それがトヨタを怒らせた。ZE2インサイト発売から3ヶ月後、三代目の30系プリウスが205万円というぶっ壊れ価格で登場した。デザインも二代目から格段に良くなり、インサイトよりも強力なエンジン、モーターを搭載し、しかも燃費だって上回る。インサイトの3ヶ月天下は終わった。この二台はエコカー減税とガソリン価格の高騰という追い風も伴ってハイブリッドカーの大衆化に大きく貢献した。こうして、ハイブリッドカーに革命を起こした二代目インサイトだが、世界を革命した代償に姿を消した…

ここからはガバ邪推 

そして4年のタイムラグの後に三代目ZE4が登場する。初代、二代目はアンチプリウスという明確なテーマがあった。しかし三代目はそれらとは少し文脈が違うようだ。ZE4インサイトは明確にプリウスキラーとしての役割を担っていない用に思える。シビックハイブリッドの単なる後継車とも言えるが、このクルマはC-HRやe-Power、デザイン激変の四代目プリウスのようなエンタメ性ばかりを強調したエコカーに対するホンダなりの苦言ではないのだろうか。わざわざ北米で先行発売したセダンを日本市場に遅れて投入する意義である。落ち着いたインテリアにコンサバティブなエクステリアデザイン、EVからコンセント充電を奪っただけのe-Powerのシステムとは異なり、初めからフルハイブリッドシステムとして設計されたi-MMD、とにかく真面目に良いエコカーをがこの世代のテーマか?Belive your INSIGHT. CMのキャッチコピーである。これは広告屋が考えた単なる宣伝文句に過ぎないが、このクルマの体をよく表していると思う。流行、トレンド、インスタ映え、バズる、そんな世相へのアンチテーゼなのかもしれない。

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