deathgreetsmewarm𓃠 @[email protected]

この方の投稿からの連続スレッドが、なぜわたしがKADOKAWAキャンセルにキレ続けているかを言語化していたので転載。

良し悪しは別として、これはある暴力の横暴を野放しにしないという点で重要なことだ。この本の出版が阻まれたとき、それを推進した人々は、憚ることなく「英語で読めば良いのに」と嘲笑ったのであった。そこには、英語で著された情報に触れることに時間や苦労を要する読者への考慮など微塵もなかった。

あのとき、日常生活の中で、量のある英語情報にアクセスするためにかなりの労力を要する人々について、彼らの権利は当然のように剥奪された。どころか、その権利の剥奪を推し進めた人々は、そのことを問題視すらしなかった。 なお注意したいのは、権利の剥奪そのものは善でも悪でもないということだ。

権利の剥奪は、善悪というよりは暴力である。すなわち、第一には加害だが、時としてそれが必要なこともある。直近の例で言えば、イスラエルの不当な支配に抵抗するパレスチナの人々の「武力蜂起」は、第一に暴力に他ならないが、それは必要なことではあるだろう。

この意味で、「ヘイト本」で「あるかもしれない」書籍の出版を脅迫によりやめさせるのは、ある種必要な暴力であったかもしれない。故にこのこと自体は問題ではない。問題は、必要な暴力を振るった人々が、自分たちが暴力を行使し、人々から権利を剥奪したという事実にあまりに無自覚であった点にある。

彼らは、必要な暴力を行使しながら、「ヘイト本」を絶滅させるのは当然だと繰り返し、疑義の声に対して「英語で読んだらどうか」等々と、無責任な皮肉と揶揄を繰り返した。権利の剥奪を受ける側の人々（英読書に困難を覚える人）は、それが「ヘイト本」かどうかすら確かめることができないというのに。

この意味で、この事件は不当な暴力であるばかりでなく、権威の横暴でもあった。人々は、確かめる手段を奪われ、批判の契機を断たれた上で、「差別と偏見を助長するから、出版中止は正しいことなのだ」という識者の判断を受け入れるよう強要されたのである。人々は、個人であることを許されなかった。

繰り返すが、脅迫による出版の差し止めそれ自体が問題なのではない。問題は、必要な暴力が行使される過程で、被害者が被害者として、個人として尊重されないばかりか、むしろ差別主義者として罵倒され、蔑ろにされた点にある。暴力が行使された後で、その暴力すらなかったことにされかけたのだ。

KADOKAWAからの出版を攻撃した人々は、たんに暴力者であるばかりでなく、二次加害者でもあり、また有害な権力者でもあった。必要なことを実践する過程で人は誰しも暴力者になり得るが、彼らはただ暴力に甘んじて必要な配慮を足蹴にしたのである。人を殴って、そしらぬふりをしたのである。

こういうわけで、内容の良し悪しに関わらず、今回の出版は意義のあることだ。少なくとも権利の回復がなされ、行使されたままになった無責任な暴力について、多くの人々に批判と吟味の機会が保証されるのだから。

https://x.com/kuzukago_4/status/1764961619753447820?s=20

ALSの嘱託の件、懲役18年って重すぎないか？
依頼者の死にたいという感情を「一時的な気の迷い」と捉えるのは大きな間違いだ
金払ってでも死にたい人だっているんだ