三菱電機(三菱電機技報の前身)に近鉄ラビットカーの制御装置の記述があるのだが、一定条件でノッチオフはステップ戻し、つまりカム軸の逆転して、最後に電流遮断によって行うと記述があった。

https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/1957/5712.pdf

恥ずかしながら当時の車両カタログにもそれは記載されていて、要はちゃんと読んでいなかったのだが、電機の方には条件によりカム軸正転or逆転でノッチオフする条件が各々記載されているので、こちらを読む方が理解は深まる。

中々面白いが、永久直列制御で直並列渡りがないから設計的に実用になったものと思う。

しかし、ステップ戻しでノッチオフするのはアメリカのPCC系電車と確か同じだったと思うが、倣ったのかどうかは分からない。やっていることは当時のシカゴ・Lの電車に似ている。無駄時間を減らすのか、力行最終段と電制最終段の時はカム軸正転でノッチオフ動作となっている。

https://ganref.jp/m/yoimono/portfolios/photo_detail/1622144

しかし、通電中にカム軸がほぼ全段逆転するということは、カムスイッチ部の全部にアークシュートが必要なんでは…と思うのだが、通電保持用のカムと消弧用のカムを別にして、後者の個数を最小限として成り立たせているらしい。消弧用カムは2x2組あり、これで力行・電制各18段の消弧を担っている。

しかし近鉄6800系が1500VMM'式なのに永久直列制御なのは加速度の落ち込み防止と書かれているが、実際のところ、このステップ戻し機構を実用しようとすると直並列制御が難しかったからか?という気がしなくもない。消費電力の節減量が小さくとも全界磁速度は40km/h近いのだから、駅進出時など8M直列制御が欲しいところではある。

もっとも当初から同じ主電動機、制御器で1M式の6850形があるので、そちらの問題もあるのだろうか。高加速車なので、減流遮断をするには数段の減流用抵抗器が必要だろうから、そのためにスペースを食うくらいなら戻しステップ方式にする方が総合的に…という判断は合理的に思える。

この近鉄6800系の特徴的な制御装置、もちろん「三菱電機」にも記載されているのだが、車両カタログにも繋ぎ図や星取表で読み取れるようになっていて、且つ他機器のことも載っている。何故か6850形だけ軸受形式が異なることも書いている。そんな近鉄6800系の復刻版カタログは以下のリンクからどうぞ。1,100円也

https://kintetsugoodsmart.kre-net.co.jp/items/49864386

@AncientCapital 小田急2400形、営団3000形が同様の抵抗器周りの回路構成でステップ戻しノッチオフかつ直並列組み合わせ制御だったと思います。
(どちらも電機品が三菱製で超多段制御)
並列段からのノッチオフでは直並列切り替えせずに第一段までステップを戻すのかなと想像してます。

@[email protected] どっちも技報にあったような気がするのですが、今のところ小田急HE車の分しか見つけられず…

https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/1960/6007.pdf

こっちの方が登場年次早いので色々書いてるかなと思ったのですが、ノッチオフ時の挙動はあまり書いてくれていないですね…空転でのステップ戻し制御もあるらしいのですが、もし並列段の時は並列1ステップまでの戻しだとすると、並列段に入ってすぐ空転検知した時って問題ないのか…?という気が…

@AncientCapital 営団3000は技報だと制御装置概要: 1961年3月号 p.44-、性能試験結果: 1961年9月号 p.87- でした。どちらも星取表までは載ってないのが残念ですが。
giho.mitsubishielectric.co.jp/
giho.mitsubishielectric.co.jp/

空転ステップ戻しの件は言われてみれば確かにという気がしました。
営団3000系の力行ノッチ曲線(日比谷線建設誌 p. 639が鮮明です)では並列25段まで点線で描いてあるあたり、そこまでは実質捨てノッチなのかなと思ってるところで、並列渡り後に有効なトルクが立ち上がるのは並列25段以降と考えれば、並列1段まで戻せば実用上問題ないのかなと都合よく考えています。
(小田急HE車だとこの理屈は苦しそうですが)

@[email protected] 3月号の方をちょっと読んでみたのですが

「ブレーキゆるめ時は弱め界磁にすると同時に戻しステップを行ないつつブレーキ力が消失するステップまでくるとただちにスポッティングに切換えるようになっている.」

とありまして、要は全ステップ戻しではないようです。このあたりに直並列制御ありでの戻しステップ可能な理由がある気がします。

9月号のノッチ曲線を見たところ、並列の点線部は確かに捨てノッチのようで(明らかに限流値より低いところにノッチカーブがある)、直並列の渡り時期を積空率によって可変にするために可能になったのか…?という感はありますね。

同車でも弱界磁率が一定以上の時は強界磁制御の後にノッチオフとするようで、小田急HE車はこれを逆にして、並列低ステップの時は弱界磁でノッチオフさせる…とか…?

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@AncientCapital 小田急HE車の方を見直したら、図4.9に並列段に入ってからの空転時のオシログラムが載ってました。
最初の空転(M2車)では5-6段主電動機電流が下がってから0になる(断路器動作?)ようです。
ステップ数が細かく書いてあれば良かったのですが...

全抵抗入りに近い状態とはいえ、力行並列段で速度がある程度出ている状態で弱界磁にすると逆起電力が減って電機子電流が増える方向に作用しそうな気もしますが、主抵抗が入ってるとまた違った挙動になるんでしょうか?

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