阪神5151形が界磁制御にサイリスタを使用していたとのことで電気車の科学をひっくり返していたのだが、別のことに気づいた。
同記事は東芝制御器の5311形の主回路図しか掲載されていないのだが、弱界磁の誘導分路部分を確認すると、界磁用抵抗器のON-OFFは機械的接点ではなく、整流器を使用した無接点回路になっている。記号がRfなので整流器と書かざるを得ないが、記号形状と位置からどうやらトランジスタのようだ。
同車は弱界磁率50%,25%の2段になっているので、弱界磁用抵抗器とトランジスタのセットも(電動機4個に対して)2組必要になる。
トランジスタを2個使用してまでも弱界磁2段で無接点制御を実用しなければならないという前提があるならば、これをサイリスタ1個(対応するリアクトル等も必要にはなるであろうが)にすることで回路単純化と抵抗器の排除が可能、かつ界磁の誘導分路部分なので容量も小さくて済む…ということであれば、設計として自然な発想であるということに思われる。
東芝がやらず、三菱はやっているということは、阪神電車側が要求したのは「弱界磁2段で界磁制御部分は無接点」ということだけなのだろうが
(画像:電気車の科学第33巻8号 P.34 "阪神電鉄普通車の電力回生チョッパ" 著:小林昭二郎氏 より)
@AncientCapital つなぎ図のWFCRfは逆阻止サイリスタではないかと...
トランジスタをこの用途に使う利点を考えると、On-Offを自由に制御できることと思います。
サイリスタだと別に転流回路を設けない限り、一度Onしたら自身ではOffできないので、弱界磁段でのノッチ戻しが制限されることになりそうです。
@AncientCapital 1983年時点だと、パワートランジスタとサイリスタでは耐圧・電流容量に少なからず開きがあるみたいです。(図4)