NDLで見つけた国鉄電磁直通ブレーキ車の緩解不良に関する記事(電車の直通ブレーキ帯における緩解不良原因とその対策、電気車の科学 通巻241号、p. 20-26)が興味深かった。
ME38ブレーキ弁の回り弁には、直通ブレーキ帯の特定の角度(40-50°)でBPから排気口への漏気が大きくなる特性がある。
BPへの供給空気圧を5kg/cm2に制御するC6圧力調整弁が正常動作している限り、この漏気は特に問題にならない(C6供給量>BP漏気量なので)。
しかし、C6弁に不具合(毛髪噛み込み、ドレン混入などによる)が生じてBP圧力が6kg/cm2程度に過上昇した場合、直通ブレーキを扱うとC6供給量<BP漏気量となってBPの減圧が起き、自動空気ブレーキが作用することになる。(ハンドル角度40-50°は常用ブレーキとしてよく使われる領域である)
C6弁の不具合によるBP圧過上昇にかかる時間は多くの場合非常に長い(5kg/cm2 ~ 6kg/cm2に10分程度)ので、ブレーキ弁をユルメ位置としてもBP圧はすぐに回復せず、ブレーキ緩解不良として顕在化する...ということらしい。
MR管の定期的な気吹き、チリコシの追加、自動脱水装置の装備などによって、緩解不良事故は激減したとの由。
難しい話...