フォロー

「実家の母から「これ、売っていい?」と写真が送られてきた。 中学のときに買った財布だった。 黒くて、鎖がついている。 鎖について説明すると、当時の俺は財布を盗まれるほど金を持っていなかったし、財布を盗まれるような場所にも行かなかった。 家と中学校とイオンを移動するうえで、財布が人体から分離する事態を異常に警戒していた。 財布を守っていたのではない。 財布についている鎖が、俺を守っていた。 そういうことは母には言わず、「いいよ」と返した。 数分後、商品ページのスクショが来た。 「メンズ 財布 チェーン付き」 まあ、そうだ。 「息子が中学生のときに使用していました」 そうだが。 「少し背伸びしたい年頃のお子さまに」 やめろ。 誰がそこまで書けと言った。 俺は「その説明消して」と送った。 母は「検索に引っかかりやすくなる」と返してきた。 俺の背伸びを検索に引っかけるな。 財布は九百円で売れた。 購入者からは「息子が喜んでいます」と評価が来たらしい。 引き継がれてしまった。 俺の中二が、よその中一くらいに。 これをきっかけに、母の出品は加速した。」

ログインして会話に参加
:realtek:

思考の /dev/null