「新海誠監督『君の名は。』に対する、作家・小川哲の分析が面白い。 「印象的だったのは、『設定にちょっと無理があるんじゃない?』と思った瞬間にRADWIMPSの曲が流れ、綺麗な流れ星のアニメーションによって、思考が停止させられたことだ。『えっ、それとそれが入れ替わって、こうなるとするとあれがおかしいよな』と考え始めるとまたRADWIMPSが流れて……」 その上で『君の名は。』からの学びとして、小川はこう付け加えている。 「粗のない作品を考えることと同じくらい、作品の弱点をどう気づかせないように工夫するかという点も重要だ。」 一般に「設定に無理がある」「つじつまが合わない」「伏線が回収できていない」などはネガティブな評価になる。 しかし、『君の名は。』でロジックの難所を音響や映像のエモーショナルな演出で乗り切ったように、視聴者(読者)の心を揺さぶり感動させることができたなら、ほとんどの人はそれらの欠点を気にすることはない。 人は「完璧につじつまが合ったつまらない作品」よりも「設定が破綻した面白い作品」を求めているのかもしれない。」