「警視庁公安部外事1課5係。
海外への不正輸出に目を光らせるこの部署が、大川原化工機の捜査を担った。
当時5係の捜査員約20人を率いていた宮園勇人係長(警部)は日ごろ、こんな言葉で部下に発破をかけていたという。
「大企業だと警察OBがいる。会社が小さすぎると輸出自体をあまりやっていない。100人ぐらいの中小企業を狙うんだ」
この言葉を聞いた捜査関係者は、発言の意図をこう解説する。
「うちのOBがいると、事件をやろうとしても上に潰されると考えたんだろう」
大川原化工機は社員約90人の中小企業で、警察OBも雇っていない。条件に一致していた。」