103系の、より正確にいうならMT55型主電動機搭載車の電制立ち上がりが遅い要因の一つに、MT55型主電動機の特性で残留磁気が少なく、電制電流のビルドアップ特性が遅くて急峻だというのがあるのだそうだ。

もっと厳密にいうと、先行形式の電車群で採用されていたMT46A型主電動機が残留磁気が比較的多いものだったので、予備励磁装置が無くとも十分に早く電制電流が立ち上がることが製造途中に確認されたので、途中の増備車から予備励磁を設置しないこととしていて、それとの比較で残留磁気が少ないという評のようなのだが、この「残留磁気が多い・少ない」というのは実験的にしか分からんのだろうか?

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@AncientCapital 全然理解していないので恐縮ですが、日立評論のこちらの論文(p. 64)に発電制動開始時の電圧立ち上がり時間の解析解が乗っていました。
hitachihyoron.com/jp/pdf/1960/

導出は電気学会のこちらの論文で触れられていると思ってますが、こっちも全然理解してません...
電動機の自己インダクタンスを式で表すのが困難なため、実験的に求めた値に基づいて計算しているようです。
jstage.jst.go.jp/article/ieejj

MT55の電制立ち上がりが遅いのは、定格回転数を低く設定しているのが要因かなと妄想してます。

@[email protected] こういうところにあったか…ありがとうございます。ざっとしか読んでませんが(読めないともいう)、日立の(1)式だと、雑には分子を小さく分母を大きくとれば時間が減少する、ということですよね。

そういう意味では、分かるところでは電機子内回路は直列に、電機子のコミュテータを減らし(電機子導体の数)、界磁の全巻数を少なく(電気装荷型=低トルク高回転)、同じ運転速度なら回転数を高くする…ということかなとは思いますが、他がよく分からないので何とも言えないな…

ただ上記の理解だと、MT55の運転時の回転数は他とあまり変わらない(定格回転数が低くても103系の歯車比6.07なので、100km/h運転時の回転数自体は113系より高いくらいだったと思います)ので、一概に定格回転数では決まらんのかな、とも思いますが…

余談ですが、電気学会論文のほうの田中氏、阪神電車の人ですね。

@AncientCapital 確かに定格回転数と磁気特性は簡単には繋がらなさそうですね。
いい加減すぎました...

気になって調べてみたのですが、電動機の飽和特性は一通り設計段階で計算できるようで、コンピュータがないと実質的に計算できない、という感じでもなさそうです。
dl.ndl.go.jp/pid/2502569/1/45

ブレーキ時の衝動に関する論文でも触れられてましたが、電機子・界磁ギャップを拡げたことなどから、コアが磁気飽和しにくくなり、結果として残留磁気も小さくなってるのかなと思いました。
力行特性を重視するとそうなる理屈はよくわかりませんが...

MT55の設計時点で残留磁気が少ない傾向は掴めていたが、重視すべき要件が他にあったのでそのままにされた、ということかと想像してます。

@[email protected] へっぽこ機械屋にとって電気はさっぱり概念が掴めん…ということは分かりました。数式だけ見ていると、同じ材質(≒透磁率)で製作する限りは電動機内部回路の長さと断面積から起磁力が計算でき、従って残留磁気は分かるということでしょうかね?予めわかるのであれば、私鉄電車の方で車種によって予備励磁を付けなかったりしているのも納得する話ではあります。

MT55型主電動機というと、トルクを増すために定格出力の割に大径化しているということだったと記憶しているので、界磁鉄心が長い、すなわちLが大きいということかなと思います。だとすると必要な起磁力が大きい≒残留磁気が少ないということなように思えるのですが、だとすると(回転子の径と長さが同じだとして)体積の小さい電動機ほど残留磁気が多く、電制立ち上がりに有利だということになりそうですが。

@AncientCapital こういうことを考えている内に自分でも訳が分からなくなってきたので、勉強し直します...

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