「そのまま、臨時帝王切開でお産となった。赤ちゃんは重症新生児仮死(アプガースコア1点)。早急に蘇生でき、幸い、今、元気に過ごしてくれている。
あの時、赤ちゃんを救ったのは、助産師でも、産婦人科医でもなく、紛れもなく、受診してくれたお母さんだったと思う。
振り返っても、とても胸が痛くなるし怖い。
1番怖いのは、お母さんが謝りながら、遠慮しながら電話して、申し訳なさそうに来院したこと。
診察の時以外、赤ちゃんのことを感じられるのはお母さんだから、お母さんは我慢しちゃいけない、私たちは我慢させてしまう環境にしちゃいけないと思う。
破水かもしれないと思って検査したら破水じゃなかった。それなら、また健診で元気に会おうね!また産みに来た時にね!でいい。
赤ちゃんが動いてないかもしれないと思って病院に行ったけど、何ともなかった。それはとっても嬉しいこと。
産科は、私たちがいつも言う、「不安な時は、いつでも相談してね」が、お母さんたちに、遠慮なくそのままの言葉で受け取ってもらえる存在でなければならない、と強く思います。
お母さん、受診は悪いことではありません。」