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「信念と勇気の習練は、日常生活のごく些細なことからはじまる。第一歩は、自分がいつどんなところで信念を失うか、どんなときにずるく立ち回るか、それをどんな口実で正当化しているかを詳しく調べることだ。そうすれば、信念にそむくごとに自分が弱くなっていき、弱くなったためにまた信念にそむく、といった悪循環に気づくだろう。また、それによって次のようなことがわかるはずだ。つまり、“人は意識のうえでは愛されないことを恐れているが、ほんとうは無意識のなかで、愛することを恐れているのだ”。

人を愛するということは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に全身を委ねることである。愛とは信念の行為であり、わずかな信念しかもっていない人は、わずかしか愛せない。」エーリッヒ・フロム『愛するということ』(2020、鈴木晶訳、紀伊國屋書店、ただし傍点部を“”で囲んだ)

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